KK002
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KK002
title:
(non titled)
artist:
William Basinski + Richard Chartier
time:
57' 03"
format:
CD

tracklist

1.
(20:53)
2.
(36:08)
mp3

text by William Basinski

リチャードとテイラー・デュプリーがカーステン・ニコライを迎えてNYのトニックで演奏したとき、私はリチャードと友達になりました。彼は可能なコラボレーションについての話や彼がすごくリッチで和声的な部分でここ最近私が興味を抱いて取りかかっている、じめじめしていてダークな作品でジェイムス・エレインの新しく美しいインストレーション作品を見た後に名付けたThe Garden of Brokennessにすごく近い作品を送ってくれました。そして私はその彼の作品を僕のプロトゥールズに入れ込んでみたらとても相性がよく、私は、そのまま何週間か不必要な箇所を取り除き、他のアイデアを試し、それをまた研磨して、お互いがその結果にとても納得いきました。遂にリチャードがNYに来たときにそれらを微調整して完成としました。その作品はその原型からかなり変わってしまったので私たちは元のタイトルを付けるのをやめました。そして、彼は次から次へと彼の他のアイデアを私に送ってきて、私はそれらを自分の作品とミックスしました。2曲目は早く作業が進み、それが今あなたが手にしているCDです。リチャード作品はすばらしく、人間の様にとてもエレガントです。


William Basinski + Richard Chartier interview ( interviewed by Nicola Catalano / z.e.l.l.e )

1. このアルバムの中であなたたちのコラボレーションはすごく自然な感じがします。このプロジェクトがどのように発生したのか説明してもらえますか?

WB: 私がリチャードに出会ったのはかなり前で、彼とテイラー・デュプリ−がカールステン・ニコライとスティーブ・ロデンを迎えてNYのトニックで演奏したときです。私はその時に既にカーステンとスティーブのことは知っておりました。 カールステンの招待で私はそのショウを見に行き、私は彼らの作品にとても感動しました。リチャードと私は気が会い、その後も連絡を取り続けていました。 そして遂に彼がこのコラボレーションの話を持ちかけてきました。普段はもうコラボレーションはほとんどしないのですが、彼の作品を愛していたので、私は一度やってみようと返事をしました。 そして、彼が送って来たゴージャスなものはそのまま私が作業していた作品ととても相性がよく、私は何週間かに渡りそれを編集しました。基本的には僕の乱雑とした作品のパートをどんどん抜いてゆき、完成させました。そして、彼はまた二つ目のトラックを私送ってきました。同じように、そのトラックも同様のハーモニーと新しい実験のある雰囲気があり、そのトラックはおいしいマティーニを作るようにすぐに終わりました。

RC: このコラボレーションは奇妙に見えるかもしれませんが、それはとてもよい実を結んできました。私たちのコラボレーションの踏み切る決断は私が心から感嘆する誰かともコラボレーションが、私に私の今までの音と違う音を提示したということでした。今まで私がしてきたコラボレーション、ノセイ サカタとのO/R project、またはイヴァン・パブロフ(COH)とのchessmachineのようなグリッチ ーでもっとノイジーな私の分離された部分ではなく、ウィリアムとのコラボレーションは私の昔の作品、多分もっと暖かみがあり、これまでに私がリリースした作品をもっと流暢にしたような方向に私を導きました。(皆さんは私はいつもコラボレーションで静かなものしかやらないと思っているかもしれませんが、時には私はノイジーですし、リズミックな奴ですよ。:)私はこのようなプロジェクトに興味を示してきました。それはまるで犯罪を犯すパートナーをさがすようなもので、私はそれを私たちの方法でスタイルを練るかたちで変えることができました。私たちが初期状態の作品を作ったあと、NYに飛び、そして私たちは、一緒に最終調整をウィリアムのスタジオでしました。さらに、私はそれを持ち帰り、自分のスタジオでも多少の編集作業をし、完成させました。 この次のウィリアムとのコラボレーションを楽しみにしています。大抵の場合、私は自分のソロ作品を聞く気になれないのですが、このコラボレーションは僕の最も好きなレコーディングの一つです。また、わたしたちがとてもシリアスでそれでいてとてもとても愚かでとんまだったことで、このコラボレーションはとてもうまくいきました。


2.あなたたちは絶対的に精密で細心な美学のコンセプト、空間、時間、空虚に興味を持っている訳ですが、それは、普段私たちが顔を背けるような力、ジャン・ポードリアールの言葉である“不在の象徴的な力”に顔を向けるということでしょうか?

WB: それは美しいことではないですか?リチャードの方法論はいつも僕をインスパイアーします。本当に何のない状態に出来るだけ近づけて・・・そのことが人の注意を引くんじゃないでしょうか?世界には沢山の混沌と騒音が溢れています・・・私はほんの少しのハーモニー,芳香・・・そして少しの静寂が必要なんじゃないでしょうか?

RC: 僕は“時間の経過”のうえでこの彼がいったようなコンセプトのある今回のレコーディングはとても興味深いです。一つ私がとてもウィリアムの作品に感嘆させられるのは時間の知覚される浮遊間です。彼の作品は聞くものに彼ら自身を失わさせます。


3. また、このコラボレーションアルバムではお二人のソロ作品よりももっと存在感のある音が目立つのですが、どうでしょうか?

WB:えーと、それはロックンロールだからさ、ダーリン!または私たちが今週を得るような、それに近いんじゃないかな?違うかな?去年、私がLAにいるとき、ジェイムス・エレインによるThe Garden of Brokennessという美しいインストレーションを見ました。そして私はその作品とタイトルにとても動かされました。NYにかえって戦争が始まり、私はじめじめして荒れた作品を作っていました。なぜならそれがその時必要に思われたからです・・・この作品はリチャードと最初の作品の原型になりました,そして私はそのThe Garden of Brokennessというタイトルを考えていました。私はその作っていた作品からいろいろ取り除きました。でもまだその雰囲気だけは残っています・・・私たちはそのタイトルを使うのをやめました。また他の作品で使おうと思っています。

RC: 誰かとのコラボレーションはいつも新しいことを学ぶチャンスです。このコラボレーションは確かに私にとってもっと可聴域内の音で、私の作品の情緒的な部分を見てもらう良いチャンスでした。良いコラボレーションは二人のアーティストの個性を溶け込ませます。その個々の美学の境界線は見えなくなります。ウウィリアムと一緒に仕事をすることは私にとって2003年にCROUTONから出した“Archival1991”のように昔の私の作品をもう一度やり直すことをインスパイアーします。

WB:それは私の一番好きな作品の一つです!リチャードがそれを僕に聞かせてくれた時、私はとてもゆったりとしていて・・・美しい作品です。私もそれらの歓声を聞きたいですね。


4. 私は過去のミニマリストの作品への関係性を見るのですが、それらに影響を受けていますか?また、ミニマリズムの歴史の中で特定の作曲家などはいますか?

WB: 質問をちゃんと理解したか解りません・・・もうちょっと具体的にお願いします。これがテストじゃないことを望むよ!確かに、基本的に私が最初にブライアン・イーノの“Music For Airportモを学校で聞いた時、深い物思いとして、作曲家として私を解放させてくれるものでした。まだまだ影響は沢山あるのですが、その後の勉強と実験の為に始めるポイントをどのように見つけたか解ると思います。ジョン・ケージの偶然性の相互作用についてのアイデアは、私にとって頼れるとても重要なことを教えてくれました・・・プロセスの中で不確定な要素を持つことは刺激と意図しない驚きを導きます。そしてそれらは私に成功した作品を楽しませます・・・それが私も目的です。私は自分が聞きたいと思う作品を作りたいのです。

RC: クラシックに関すれば、私はモートン・フェルドマン、武満徹そしてエリック・サティーの“家具の音楽”のコンセプトにとても影響を受けました。実際、私は音楽よりもヴィジュアル作品の方にもっと影響を受けました。私は多くの音響をヴィジュアル用語中で、ヴィジュアルを音響用語の中で知覚することに注意を払っています。